松江家庭裁判所 昭和46年(少ハ)2号 決定 1971年5月18日
本人 K・J(昭二五・六・一八生)
主文
この事件を水戸家庭裁判所土浦支部に移送する
理由
1 収容継続申請の理由は、別紙「収容継続決定申請書」記載のとおりである。
2 ところで収容継続の申請がなされた場合、これが当否を認定し、あるいは収容継続期間を決定するためには、少年院法一一条二項の所定事項、すなわち、少年の性格および犯罪性の矯正の程度、保護者の意見、受入れ態勢、家庭環境における送致後の変化などを十分に調査し、慎重に検討しなければならず、そのためには少年が在院している申請少年院の職員の意見をきかねばならず、又少年に面接し、さらに少年の保護者に対する調査を行なうこととなる。ところが、少年が在院している少年院(茨城農芸学院)は茨城県稲敷郡牛久町久野甲二八三一番地に在り、また少年の保護者は現在横浜市に居住しており、いずれも当裁判所からかなり遠隔地にあるうえ、本申請が期間満了日に接着してなされたものであること、現在少年の保護者が少年の更生を期待し、退院に関心をもつていることなどの諸事情がみとめられ、これらの事情を鑑みると、当裁判所が調査審判するよりも、この事件を少年の現在地である申請少年院の所在地を管轄し、かつ、保護者の居住地に近い水戸家庭裁判所土浦支部に移送し、同支部においてこの事件を調査審判するのが少年の保護の適正を期し、かつ、迅速な処理のため特に必要があると認められるので、少年審判規則五五条、少年法五条一項二項を準用して、主文のとおり決定する。
(裁判官 谷口敬一)